願い事

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「希良!!」 高校の門をくぐると玄関から雅が走って来た。 「どうしたの?何かあった?」 希良は冷静を装い雅に問いかけた。 雅の顔も困惑しているように見えた。 「学校の中がおかしいのよ…」 そう告げる雅の後ろから泰彦がゆっくり歩いて来た。 「僕たちは昨日流れ星を見た後、面倒だからって合宿所に泊まったんだ。」 合宿所は校舎の横にあり部活の合宿の時に使う。そうそう使われないため誰が使用しても気づかれない。 希良は何か悪い予感がしてならなかった。 学校の中から走ってきたのは真だった。 「ハァハァ…」 珍しく息を切らせている。 真は陸上部の部員であり体力には自信があるはずだった。 「真?」 希良は恐る恐る真の名前を呼んだ。 真は息を整え久々に会った隼人の頭を撫でると希良たちに告げた。 「学校の教室がなくなってる」 「!?」 希良は言葉が出なかった。 校舎の外見は何ら変わりはなかったが、中は思いもよらない事が起きたようだ。 「どうなってんのよ!!」 パニックに近い声で雅は叫んだ。
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