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「なっ…地震!?」
泰彦は体をなんとか支えながら雅の体を覆った。
ズズズズ…
鈍い音が鳴り響き、揺れは体をしっかり支えていないと保てない程だった。
とっさに真は希良と隼人を自分に引き寄せ、上から降ってくる埃から庇ってくれた。
ズズズズ…
鈍い音はまだ続いている。
揺れはすこしずつおさまり始めた。
それを見計ると真は泰彦に向かって叫んだ。
「崩れるかもしれない!外出るぞ!」
その声に行動で泰彦は答えた。
雅の体を庇いながら合宿所から飛び出す。
それに続き真も希良と隼人を庇い外に出た。
先に出た泰彦と雅は正面を向いたまま固まっていた。
真はすぐにその異変に気づいた。
「どうした?何が…」
その言葉を遮って隼人は正面を指差した。
「学校がなくなってるよ!!」
その声に希良も正面を見据えて目を丸くした。
今までそこに会った校舎は跡形もなく消え去っていた。
「………」
真は言葉がでなかった。
「なんなの…」
雅はその場に座り込んでしまった。
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