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希良は足を止めずに言った。
「隼人…ごめんね…お姉ちゃん言い過ぎた…」
その言葉を聞くと隼人は今まで握っていた真の手を解き希良の横に移動した。
「…ボクにはお姉ちゃんしかいないよ…」
そして隼人は希良の手を握った。
…隼人の手が暖かくて希良は涙が出そうになるのを我慢した。
真はそれを見ないフリしてくれた。
そんな真の優しさに気づいて希良はまた泣きそうになる。
真はあたりの様子を見た。
ある家からは紙幣と見られる紙切れが溢れており、窓から紙幣が降っていた。
ある家では家族がいなくなったらしく名前をよびつづけている。
…狂ってる…本当にあの流星群が原因なのか…?
真は眉間にシワを寄せたまま無言で悠に20階はあるであろうマンションの中に入って行った。
エレベーターで12階に着くと1つの玄関の前で鍵を開ける。
「着いたぞ。散らかってるはずだけど気にすんなよ。」
そう言い、ドアを開け希良たちを迎え入れた。
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