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出会い
真っ白い雪が深々と降りしきる。
今年は珍しかった。
何処を見ても真っ白で、人々の喧騒がうるさくて…。
それくらぃ雪が清くて綺麗だった。
「真っ白な画用紙に真っ赤な絵の具を塗ったら綺麗だよなぁ…」
ビルの屋上に一人の少年。
柵を掴みながら地上を見ていた。
薄く笑いながら。
「僕が死んでも、誰も…悲しまない…」
悲しぃのかそうでないのか判断しにくい表情をし、靴を脱ぎ柵を乗り越えた――
素足は雪で冷えきってしまい、殆ど感覚が無かった。
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