10.小鳥と森と仲間たち

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10.小鳥と森と仲間たち

ある日1匹の小鳥が 森に迷い込みました。 その小鳥は まだ飛ぶことが できないようでした。 そこへ 1匹の犬が近づいてきました。 犬は小鳥に言いました。 ここは君が来る場所じゃない、 と。 けれども小鳥には 帰り道など分かりません。 いつしか 犬は居なくなっていました。 小鳥はだんだん不安になり 歩くのを止めてしまいました。 今の小鳥には その先にある道しか 見えていませんでした。 けれども小鳥は ふと、あることを 思い出しました。 1つはお母さん鳥のこと。 1つは兄弟たちのこと。 1つは大きな空のことでした。 空を飛べれば 帰れるかもしれない。 そう考えた小鳥は 必死に飛ぶ練習をしました。 森の鳥たちは みんなでそれを見守りました。 小鳥の体はだんだん浮いて ついには 飛べるようになりました。 けれどもそうなるまでには 何日も何日も 時が経っていました。 その小鳥がちゃんと帰れたのか それは誰にも分かりません。 「(知っているのは大空だけ)」
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