01.ヒバリの大きな蒼い空

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ある日ヒバリが鳴きました それは とてもとても美しい声でした ある日ヒバリが泣きました それは とてもとても悲しい声でした 誰もが ヒバリの声を聞きました。 毎日、毎日聞きました。 するとある日 ヒバリは鳴くのをやめました 誰も理由など分かりません。 それでもみんなは ヒバリが鳴くのを 何日も、何日も待ちました。 けれどもヒバリは一度も 鳴くことはありませんでした。 誰もヒバリの声を 聞けなくなりました。 誰もヒバリの声を 聞かなくなりました。 するとヒバリは 大きな空の見える 小さなカゴの中で 独り 誰もいないその部屋で 小さく 小さく 鳴きました。 悲しく 悲しく 泣きました。 空が恋しいと 空を飛びたいと そして 自由になりたいと 小さな 悲しいコエでナきました。 誰もその声を聞きません。 小さなコエは どこかに消えて。 もう一度だけヒバリは 小さく 小さく ナきました。 「(ヒバリが求めたのは 大きな大きな蒼い空)」
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