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「転校初日から遅刻とは…いい度胸だなぁ。」
「…。」
周が気付いた時にはすでに登校時間を過ぎていた。
あんなものを見てしまっては…次の日が休みであろうと一日中考え込んでしまうのが普通だ。
しかし周は賢明に記憶から削除した。
教室につき自己紹介を促された。
「ぇっとぉ、駿河周です。よろしく。」
「はぃ。じゃぁ、後は学級委員にまかせます。はぃ。自己紹介して。」
―なんつー放任主義な担任なんだ💧
周がそんなことを考えている間に一人の女生徒が席を立った。
「犀樹 瑞(さいき しるし)です。よろしく。」
犀樹 端。それがこのクラスの委員長の名前らしい。 端はにこりともせず周を見据えていた。
―――どっかで見た顔だな…。どこだっけ。まぁいいや。
「ぁぁ…。よろしく。ぇっと…犀樹さん…?」
「端でいいわ。皆そう呼ぶの。」
―――――――――――――――この日は何事もなく(何か不思議な感じがした端の事はこの際忘れて)校内の案内をされたり授業を受けたりして一日が終わった。
部屋でくつろいでいた周はこの日一日を振り返っていた。
主に犀樹 端のことを。
無表情。無口。無頓着。まさに三冠王。必要なことしか話さず、何か質問は?の言葉以外質問はしてこなかった。
もちろん他のクラスメイトは普通。友達も数人できた。と、いっても周の金髪・眉間に皺を考えれば…そういった友達が出来たと言えば解ってもらえるだろうか。
「…俺…あのクラスでやっていけんのかな…。」
多少落ち込み気味の周は、そのまま夢の中へ吸い込まれていった。
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