二 再会

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「やっぱキョウトはいいなー」 照り付ける太陽を手で遮りながら、アイゼン=トーマスは10年振りに帰る故郷の土を踏みしめていた。 10年前の大戦後、五歳だった彼は当時第一師団中佐だったベン=クロードが開いていた剣道場の兄弟子に当たるヘイスケ=クドウと彼の両親と共にナチ帝國へと移住していた。 この度理由(わけ)あって彼は一人故郷へと帰ってきたのだ。 三歳年上であるヘイスケは、孤児であったアイゼンにとって実の兄のような存在であった。ヘイスケの両親も、本当の親のように彼に接していた。 キョウトには懐かしい友人達が住んでいて、彼らに会う嬉しさもあってか、2日で準備を終わらせ、3日目に出発、そして今日着いたのだ。 大きな荷物は、既に滞在先のベン家に送ってあった。 そこには、大親友のヴォルス親子もいると聞いている。 彼の父『四天王・守護神』アルフレッド=ハイラルは五年前に病死したとヴォルスから送られてきた手紙に書き記されていた。 その手紙には、ベンが『四天王』の一人エリス=ホストエニアと結婚したこと、エリスの娘のハイネが彼の義理の姉となったこと、ベンが第一師団大将になったことなどが事細(こま)かに記されていた。 「そういや。エリスさんって『四天王』だったんだよねぇ、確か」 手紙を片手に馬を進ませながら、彼はたった数年しか住んでいなかった故郷の様々な思い出を振り返っていた。 「さて、まずは國王に挨拶に行かなきゃ」 アイゼンは馬を國王の住むキョウト城に進めた。 「すんませ~ん。國王に会いたいんすけど~」 城に着くや、アイゼンは開口一番そう言った。 門兵にしてみればいきなりやって来た顔も知らないガキンチョがそんなことを口にするもんだから、そのうちの一人が顔をしかめた。
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