『年上の彼女』

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次の日のお昼前、彼女の父親だけが医者に呼ばれて病状の説明を受ける事だったのですが、無理を言って僕も同席さすてもらいました。どうしても自分の耳で医者から聞きたかったんです。多分あれほど緊張した事は今までになかったと思います。医者の部屋に入って、医者の顔を見てみるとどっちともとれない無表情な顔をしていました。医者が口を開いて、簡単な挨拶が終わった後喋り出したのですが、『病状がよくなるどころか病院に運ばれた時点ですでに手遅れでした』 僕はこれを聞いて頭がグラグラして椅子から落ちないようにする事しか考えれませんでした。どうやら今治療をしている様に見えるのは、家族に心の準備をさせる為に無理やり心臓を動かして、体だけを生かして少しずつ悪い方向へ持っていくというものでした。
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