ある晴れた日

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次男の傷は出血が多かったものの、4針縫う程度で、治療後すぐに自宅へ戻れた。 血まみれの親子3人を見たタクシーの運転手さんは一瞬ギョッとしたけど、傷に響かないよう優しい運転に心掛けてくれた。 見ず知らずの他人でさえも優しさと思いやりで接してくれると言うのに、父親としても全く自覚のないKに諦めと憎しみが湧いてきた。 帰宅後、ふて寝しているKの足元に土下座し「実家に帰らせて頂きます。」と静かに話した。 Kが無言でベッドから立ち上がった次の瞬間、私の体は床に転がっていた。 …ありっ?… と思った後に、脇腹に激痛が走る。 あ、蹴られたのか。 胸ぐらを掴まれ顔面を殴られ、鼻血が出るわ出るわ。家具に背中を強打し息が詰まる。お腹を蹴り上げられ嘔吐するする。 ホントなら体中が痛いはずなんだろうけど驚きが先行して、何が何だかわからなくなっていた。 いつもは2~3発、黙ってやられとけばKの気が済むのだが、この日は終わりがなかった。 …ヤバい…殺される… …逃げなきゃ…
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