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天使と狼はいつも一緒にいるようになった。
狼は、初めて自分を怖がらなかった天使を、大切に思った。
天使は、朝日の様な狼を見つめているのが好きだった。
2人は思った。
ずっとこのままでいられたらいいのに…。
しかし、旅はいつか終わる。
始まりの場所は、終わりの場所。
狼、あなたは何を望むの?
天使が尋ねた。
君は?
狼が天使を見つめた。
私は…
天使は言葉を詰まらせた。
俺は、友達が欲しい。
そう願うためにここに来た。
でも…友達はもうここにいる。
天使の背中に白い翼が生えた。
あぁ、狼。
私はやっと帰ることが出来る。
また朝日を見ることが出来る。
なのに、どうして涙が零れるの?
どうして悲しいの?
それは、君が愛を知ったから。
泣かないで、天使。
君が願えば俺はいつでもここにいる。
狼は天使の胸にそっと手をのせた。
今でも
天使は朝日の中に狼を見る
狼は雪を見ては天使を思い出す。
決して色あせない愛を感じながら…
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