2/10
前へ
/428ページ
次へ
大学2回生の春だったと思う。 俺の通っていた大学には大小数十のサークルの部室が入っている3階建てのサークル棟があった。ここでは学生による、ある程度の自治権が守られ、24時間開放という夢のような空間があった。24時間というからには24時間なわけで、朝まで部室で徹夜マージャンをしておいて、そこから講義棟に向かい、授業中たっぷり寝てから部室に戻ってきてまたマージャンなどという学生の鑑のような生活も出来た。 夜にサークル棟にいると、そこかしこの部屋から酒宴の歓声やら、マージャン牌を混ぜる音やら、テレビゲームの電子音などが聞こえてくる。どこからともなく落語も聞こえてきたりする。 それが平日休日の別なく、時には夜通し続くのだ。
/428ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3138人が本棚に入れています
本棚に追加