家鳴り

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俺は狭いアパートの部屋を見回した。 そのとき、ふとこれまでに見せてもらった薄気味の悪いオカルトアイテムがどこにもないことに気がついたのだ。いくつかは押入れに入っているのかもしれない。しかし、一度見たものが、また部屋に転がっているということがなかったのを思い出す。 「どこに隠してるんです」 師匠は気味悪く笑って、「知りたい?」と首をかしげた。 素直に「はい」と言うと、「じゃあ夜になるまで待とうな」と言って師匠はいきなり布団を敷いて寝始めた。俺はあっけにとられて、一度家に帰ろうとしたがなんだかめんどくさくなり、そのまま床に転がってやがて眠りについた。
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