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彼女もこちらの視線に気づいたようで、顔を上げた。
「あ、こないだの」
「あ、どうも」
とりあえずそんな挨拶を交わしたが、彼女が人差し指を眉間にあてて「あー、なんだっけ。ハンドルネーム」と言うので、僕は本名を名乗った。彼女のハンドルネームは確か京介と言ったはずだ。少し年上で背の高い女性だった。
買い物かと聞くので、見てるだけですと答えると「ちょっとつきあわないか」
と言われた。
ドキドキした。男から見てもカッコよくて、一緒に歩いているだけでなんだか自慢げな気持ちになるような人だったから。
「はい」と答えたものの「ちょっと待て」と手で制され、僕は彼女が納得いくまでハムスターを観察するのを待つはめになった。変な人だ、と思った。
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