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人差し指まで掛けた分厚い装丁の本を元の位置に戻す。
これはなんだろう。
レポートのための資料探しなどすっかり忘れて、俺は図書館内を歩き回った。
そしてそんなエアポケットのような場所をいくつか発見した。
遠くからそうした場所を観察していると、足を踏み入れる人がやはり少ないことに気づく。
目的の本があって迷いなくそちらへ向かう人もいるが、ただ単にどんな本があるか見て回っているだけと思しき人は、ほぼ例外なくそのエアポケットを避けている。
そのスポットの本の種類は様々だ。これは一体なんなのだろう。
1回生の頃には感じられなかった。
俺は大学入学以来オカルト好きが高じて、いろいろな怖いものに首を突っ込み続けた結果、明らかに霊感というのか、ある方面に向いたインスピレイションが高まっていた。
それが原因としか思えない。
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