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延々と足音は回り続ける。
その数が増えたり減ったりしながら、苛立ちと悲しみの気配が大きくなり、空気を満たす。
肌を刺すような緊張感が迫ってくる。俺は目に見えない防壁にすべてを託して、目を閉じた。
いつか、「そのくらいにしておけ」という人ならぬものの声が、俺の耳元で人間のルールの終わりを告げるような気がして、両手で耳も塞いだ。
他に閉じるものはないだろうかと思ったとき、俺の中の得体の知れない感覚器が、足元のずっと下にある何かを知覚した。巨大な穴のイメージ。師匠の言う「穴」を「霊道」に置き換えるならば、下に向かう霊道なんてものが存在していいのだろうか。
この感覚を閉じるには、どうしたらいいのか。
震えながら、朝を待った。
その書庫も、今では立ち入り禁止になっているらしい。
消防法がどうとかいう話を耳にはしたけれど、どうだかわからない。
師匠が司書をしていた期間となにか関係があるような気がしているが……はたして。
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