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次の日は仕方なくバイトに行った
なるべく顔を合わせないように…
帰り道、旬が待っていた
『一緒にかえろ?』
(………)
『どうしたの?昨日も早退したみたいだし、具合悪いの?』
(………)
『何か怒ってる?』
(別に…)
『嘘!怒ってるでしょ?』
(なんで?)
『わからないけど…』
本人には自覚がないらしい
(由香と帰れば?)
『なんで?別に一緒に帰る理由ないし』
(あそ…)
[旬君~!]
おでましだ
[旬君、ひどいよぉ~!由香待ってたのにぃ~]
『なんで?』
[なんでって…一緒にかえろ!]
私は無言で歩きだす
『あっ、待って!』
旬が呼び止める
[りおさん、お疲れ様~!]
今頃かいっ!
[旬君~!いこっ☆]
『…………』
私はひたすら歩く
そんな二人の会話なんて聞きたくない
『由香ちゃん、今日は無理』
[なんでぇ?由香さみしい]
『今日は…てか、これからも僕はりおさんと帰りたいから』
[………ありえない]
『ごめんね』
[じゃ、なんで昨日映画に行ったの?]
『別に一人でいくつもりだったけど……由香ちゃんも観たいっていったから』
[それだけ?]
『うん』
[由香が好きだからじゃないの?]
『友達として行っただけ』
[でも、でも由香は旬君の事好きだから!]
『ごめんね』
その一言で由香は泣き出した
感情が素直に出るなんてうらやましい
二人のやり取りを歩きながら聞いていた
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