過去の記憶

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『りお~!ごめん、今日は残業になったから先に帰ってて』 旬は申し訳なさそうに言う (わかった) 『ほんとごめん』 (仕方ないよ…頑張ってね!) たまに男の人だけ残業があった ほとんどは力仕事 テーブルをセッティングするのだ 『終わったらメールするね』 (おけ) 私は久しぶりに一人で帰ることになった バイト先ではみんな若すぎて友達と呼べる人はいない 後ろから聞き覚えのある声がする [あれ~?今日は一人なんですかぁ?] 由香… [私達これからカラオケに行くんですけどぉ~、りおさんには今時の歌わからないから無理ですよねぇ] 誘う気もないくせに… [じゃ、お疲れ様~!] ケラケラと笑いながら歩きだした なにがしたいんだか… 私は家路を急いだ 枯れ葉がさみしそうに 地面を転がっていった
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