序章

2/8
52人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
『突撃ッッ!!』  先頭の男が高々に叫ぶ。それと同時に後ろに編隊を組んでいた竜騎兵が吼える。次々に咆哮をあげて竜が飛び立つ。 ―オオォォォ―  先頭を翔ぶ一人のドラグーン。騎乗する竜は漆黒の体に朱色の瞳、金色の鉄兜をつけている。  大空に舞う竜は空中で静止し、咆哮をあげながら口元に青い炎を溜める。前方からは敵のドラグーンが三体近付いてくる。その三体を射程に捉えた瞬間、炎を放射状に吐き出し、敵のドラグーンを包み込む。 「うあぁぁぁぁ!」  炎の中から呻き声が響く。炎を吹いた漆黒の竜に乗った男は、三体のドラグーンが炎に包まれているのを空中に静止したまま眺めていた。  その男の横を凄いスピードで何体ものドラグーンが駆け抜けていく。前方を突き進むドラグーン部隊を見届け、男は不適に笑った。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!