永遠(とわ)

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夫の予想通り、次の検診で赤ちゃんの性別が分かった。 「○○さん、ここ見て。男の子だね」 ドクターはエコーの画面を見ながら、赤ちゃんのお股の部分を指差す。 「えっ?あっ、本当だ。男の子だぁ」 それは素人目でも、はっきりと分かった。 (やっぱり男の子だったんだぁ…) 少しガッカリしたような複雑な気分で診察室を後にした。 そんな私の様子を察した夫が椅子から腰を上げ、私のそばまで近寄って来る。 「どうした?赤ちゃんに何かあった?」 「ううん、順調だよ。しかも、赤ちゃんは男の子だったよ」 その言葉に夫は大喜び。 「じゃあベビー服も買いに行けるし、もう名前も考えられるなぁ」 「うん、そうだね」 不思議なもので、夫の笑顔を見ているうちに、 (男の子も良いよね、可愛い我が子に変わりないんだもん) さっきまでの沈んだ気持ちは嘘のように吹き飛んで、次第に私も嬉しくなっていた。
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