2929人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなある日、ポコっとお腹の中で微かに赤ちゃんが動いたのを感じた。
(ん?これが胎動?)
「パパ、パパ~。今、多分赤ちゃんが動いたぁ」
私は思わず叫んだ。
夫も驚いたように急いで私のそばまで駆け寄り、私のお腹に触れる。
手を置いたまま赤ちゃんが動いてくれるのを待つが、一向にその気配がない。
「おーい、赤ちゃん」
痺れを切らした夫は私のお腹に向かって、赤ちゃんに一生懸命話し掛けるのだが、結局その日は胎動を感じる事ができずに残念がっていたのを覚えている。
私の妊婦生活は順調そのもので、安定期に入る頃にはマタニティスイミングに通い始めた。
プールに入ると、お腹の中の赤ちゃんは必ずよく動いて、いつもより激しい胎動を感じる。
「ママが気持ち良いとそれが伝わって、赤ちゃんも羊水にプカプカ浮かびながら気持ち良いんだね~」
私は日に日に大きくなるお腹とこの胎動で赤ちゃんの存在を感じ、我が子への愛しさが倍増して、母親の自覚も強くなっていったのです。
最初のコメントを投稿しよう!