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ルール上空に上がると、そこには護衛のP47の編隊が居た。
5機のP47は、ロールしながら襲いかかって来た
『二時方向から5機来る!
迎撃するぞ!』
ハインツ大尉は機体を傾けると、そのまま一気に上昇して行った
『行こうラッセン!
大尉の援護だ!』
その時、一機のP47が機銃掃射をしながら突っ込んで来た。
俺は降下してやり過ごしたが、僚機であったバルク機は、主翼や垂直尾翼に機銃弾を喰らい、主翼から火を噴きながらグラつき始めた
「脱出しろバルク!
もう無理だ!!」
バルク機のキャノピーが開き、バルクが身体を大空に預けるのが見えた。
俺は墜落して行くバルク機を見ながら、操縦桿を引いて機体を上昇させて行く
『二対五…!
腕の見せどころだな!』
ハインツ大尉機はロールしながら機銃弾の雨をやり過ごし、上下左右から襲い来るP47の編隊と戦っていた。
時たま機銃弾の弾道が機体を掠めているが、ハインツ大尉機は未だに被弾すらしていない様子だ。
俺はスロットルを全開に開けながら、ハインツ大尉機の後ろを取ろうとしているP47を標的として、射線を確保しようとギリギリまで接近を試みた
「捉えた…!」
俺は躊躇う事なくトリガーを引いた。
撃ち出されて行く機関砲弾と、機体を伝わる機関砲の振動と爆音。
ハインツ大尉を撃墜しようとしていたP47に機関砲弾が叩き込まれ始め、P47は煙を噴いて不安定になりながら高度を下げていく。
その直後だった。
下からハインツ大尉機に襲い掛かろうとしていたP47が、煙を噴きながら切り揉み状態に陥った僚機と激突したのだ。
一瞬上昇気流が生まれ、爆風が俺の機体を押し上げた
「無事ですね大尉!」
フワリと上昇しながら、俺は操縦桿を横に倒した。
眼下に急接近するハインツ大尉機。
その上を通過しながら、俺は更に機体を上昇させた。
常に敵機より上につき、高い高度からの一撃離脱を繰り返す。
これは基本戦術の一つだ。
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