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二機のP47が墜ちた事で、二対五だった戦況は二対三になった。
二機のP47が、絡み合ったまま火を噴いて墜落して行く
『俺はこれから輸送機を叩く!
P47を頼むぞ!!』
ハインツ大尉機は左右にバンクを振ると、静かに勇ましく輸送機の大編隊に単騎突入して行った。
それを追撃せんと引き返すP47の編隊に、俺も機関砲を撃ち込みながら向かって行く。
機関砲の振動と、プロペラや主翼が風を切る音。
キャノピーのガタツク音が混じり合い、俺は機体の速度がかなり高速である事を実感する。
俺が生み出した弾道は一機のP47を捉え、P47は胴体部分に無数の凹みや穴を生み出した
「もう一撃!」
俺は速度を上げて降下しながら、擦れ違い様に機関砲弾をP47に叩き込んだ。
エンジンから黒煙と炎を吐き出したP47を横目に、俺は宙返りしながら二機の位置を確認した
「このまま押し続ければイケるぞ…!」
宙返りを終えたばかりの時だった。
コックピットの後ろから、ブリキの板を叩いた様な音がした。
ミラーで後ろを確認するが、弾が抜けた様子は無い。
恐らく貫通には至らなかったが、弾が装甲で止まったままなのだろう。
被弾したが継続可能と判断し、俺はそのまま上昇を開始した。
ループの後に急上昇。
更に右ロールしながら急降下中に機銃掃射。
その直後に再び急上昇。
そんな機動を駆使しながら、俺は着実にP47にダメージを与え続けた。
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