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俺と麗奈は 昔から支えあって生きていた
両親は共働きで めったに家には帰ってこず たまに帰ってきても お金を置いていくだけだった
だから麗奈は俺に頼ってくる……今も昔も
麗奈には幸せになってほしい
「はあはあはあ……」
少し歩いただけなのに もう息切れする
これも病気のせいなのか?
無性に孤独を感じた…怖くなった…
豪はその場に しゃがみこみ自分の腕で自身を包み込んだ
豪「…………死ぬんかなあ」
麗奈の幸せな姿をみたい
仲間と馬鹿したい
みんなの憧れになりたい
痩せ細って ひょろい姿で死にたくない
自分の幸せだって見つけたい
「なのに………なんで俺なんや…なんでガンは俺を選んだんや!!」
拳をアスファルトめがけて振り下ろした
「…なんで…なんで………」
ポツポツ
豪の体を雨がうつ
豪はその雨に紛れて涙を流した
後ろで 病院から追ってきた聡史が見ていたが そっと振り返って帰っていった
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