日常

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「…つまんないわ…」 深い深いため息。 それに合わせて体をテーブルへと倒れ込ませる。毛足の長い絨毯は床にそのままの体に優しい。 「ねえ、つまんない」 ふと思いついて話しかけてみる。思えば、この一週間ろくに話をしていない。 と、いうよりも必要がなかったのだ。何かを欲する前に男がそう動いたから。 「では、何か致しましょうか」 無表情な口からこぼれるのはここ何日かで慣れた、冷たくも甘い声。 「そうね。」 何か、と考えるが思いつかない。悪魔に出来る面白いこと?難題もいいところだ。
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