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長めのウルフカットの黒髪に、眼は紅。服は黒とシルバーで、シンプルで上品だ。
両親の知り合いにこんな美形がいたなんて…と思って、はたと気づく。
その男の容姿は美形だが、年齢はおそらく20代半ば。
父の仕事仲間には若すぎるし、母の知り合いならばこんな美形のはずがない。
「失礼ですが、両親とはどのような関係ですか」
少女は男を上から下まで眺め、充分満足すると尋ねた。
「貴女のおばあ様とは、主従の関係でしたが、ご両親とは何の関係もありません」
「…そうですか。では、案内します」
主従、と言う言葉にはすぐにピンときた。
少女の父の母、つまり祖母は金持ちだった。
おそらく執事でもしていた人の息子ではないか。
「必要ありません。それよりも、契約を…」
「契約?」
「はい。契約をしていただかなければ」
彼は玄関に入ると、少女の前に跪いた。
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