第一章 弐

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「どういうこと?」 氷露は大気中の水分を氷柱に換えつつ尋ねた。 「安倍邸の結界は鬼門を封じるためのものだ。その鬼門が開いたのだから、その中からでてきた可能性は高いだろう」 「流石は匣輝。頭良い…ねっ!!」 語尾を強めたのと同時に、氷露は作った氷柱を異形のモノ目掛けて投げ付けた。 「ヴォォォオォォ!!!!!!」 一本が目に命中しもがいている。 「誠仁が来る前にさっさと片付けようぜ!!」 炎勒の放った火球が異形のモノを焼き尽くす。 「ヴォォォ!!!!!!!」 異形のモノは灰となって消えていった。 「一匹目!!」 「炎勒の言う通りだな。さっさと片付けるか…」 そう言うと匣輝は腰に差してあった日本刀を呪文を唱えながら抜いた。 抜いた刀の刀身は金でできていた。 これが匣輝の武器である。 「誠仁が来る前に終わらせよう…」 そう言い終わると三人は別々の異形のモノへ攻撃を仕掛けた。 残りの一匹がうっすら笑っているのことに気付きもしなかった…
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