第二章 壱

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その頃、大内裏では翠弌たちが話をしていた。 「…静騎殿よ。誠仁はどこに行ったと?」 「誠仁様は天照大神のいらっしゃる伊勢神宮に行かれました」 「天照大神に会いに行ったと?」 「そういうことでございます」 「理由は?」 「禁術を使いこなすためかと思われます」 「誠仁が封じている程の術といったら…」 「六芒星でございます」 「六芒星を使わなければ誠仁でも勝てんか…」 「はい…」 そう言うとふたりは目をやった。 そこでは傷付いた者たちが貌祇の術によって治療されていた。 その中には炎勒などもいた。 「あの三人が実力で勝てなかったのです。私達五芒星より強いとなると、最凶の戦闘集団・六芒星の力に頼るしかないでしょう…」 「そうだが、あの力は危険すぎる!!!!父上ですら使われたことがないというのに!!」 「誠仁様ならやれます!!!!」 珍しく温厚な静騎が語尾を強めた。
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