序章

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走り出した誠仁を静騎は追いかけた。 ようやく菖蒲のもとに駆けつけたとき、誠仁は異変に気付いた。 「どういうことだ!!」 「どうしました?」 急に怒鳴った誠仁に驚きもせず静騎は冷静に尋ねた。 「邸を見ろ」 静騎は菖蒲を介抱しつつ邸を見た。 「これは…、邸の結界が…」 「ああ、破られてる…。だか、あり得ねー!!ここの結界は当代随一と言われた爺と、俺が張ったんだぞ!!」 そう、ここにあったはずの結界は、かの安倍晴明とその孫であり後継者と言われている誠仁のふたりで張ったものである。
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