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あれから一週間。通勤手段をタクシーに変えていた俺は、金がなくなってきたので久しぶりに電車にのる事にした。
もうあまり乗りたくなかったのだが。
駅で環状線を待っていると、後ろから見上さんに声をかけられた。彼はあの後病院で意識を取り戻したのだ。事件の発端なのに、彼は何食わぬ顔でまた環状線に乗ろうとしているのに腹が立った。
「いや~、この前は死ぬかと思ったよ」
「多分俺の方が死ぬかと思ってた時間長いすよ」
「まぁまぁ互いに生きてるからいいじゃないか」
ムカつくな‥‥。
「見上さんはまだあの車両使ってるんですか?」
「あれ? 山野まだ知らないのか?」
「何がですか?」
「三日前あの車両に乗り合わせた、起爆能力を持つ超人男性が他の乗客ともめ事を起こしたそうだ」
「それで?」
「起爆超人がキレてボカン‥‥だそうだ」
「‥‥マジすか?」
「だからもうあの車両はないんだよ」
まぁ、もうあんな奇妙な車両乗りたくなかったし。
それにしても最近変な事ばかり起こる。
目覚まし時計の針が止まってたり、エレベーターが急に止まったり、信号機が止まってたり。
不思議な事だらけだ。
なんでだろう?
隣の女子高生の話している事が耳に入った。
「ねぇ知ってる? この前まで環状線に変な車両があったんだってぇ」
「えぇ、何それ~?」
「超男性専用車って言うらしいよ~」
「ははは、面白いそれ~」
「その車両にはねぇ、超能力を持った人 しか 乗れないらしいよぉ」
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