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「は? 俺!?」
「そう、アナタ」
「なんで俺を心配するんだよ?」
「落ち着いてる?」
「は?」
「俺と電話なんかしてて大丈夫?」
そうだ!!
プツッ‥‥
俺は電話を切った。早く救急車を呼ばないと。あんな奴と電話してる場合じゃない!!
しかし救急車を呼ぼうとしても俺の電話は堂沢さんにしか繋がらない。
だから大通りに出て誰かに救急車を呼んで貰うことにした。
そして救急車が到着した。今日は道路も混雑していなかったようで、到着するのに時間はかからなかった。
妻と娘は一命を取り留めた。
医者が言うには、あと少し発見が遅かったら2人共助かってはいなかったらしい。
よく考えてみれば、堂沢がいなければ2人は助からなかったという事になる。
堂沢さん。一体なんなんだあいつは。電話をかければ出てくる
じゃあ‥‥また誰かに電話をすれば、堂沢が出てくるのか?
ピッ‥‥プルルル‥‥プルルル
出ないのかな?
プルルル‥‥プルルル
プルルル‥‥プツッ
「はい、もしもし」
出た‥‥。
「堂沢‥‥さん?」
「そうだけど?」
「‥‥‥‥」
「娘さん、無事だったみたいだね。良かった」
「あぁ、ありがとうございます」
「‥‥‥‥」
「あの‥‥なんか、すいませんでした」
「何が?」
「失礼な事言っちゃって」
「あれが普通の反応でしょ」
「‥‥‥‥堂沢さんって」
「‥‥ん?」
「いや、いいです」
どうせ訊いてみても答えはまた、「堂沢だから」だろうな
「あの‥‥」
「なんだよ?」
「堂沢さんて何してる人なんですか?」
「堂沢やってるよ」
「‥‥‥‥」
予想通り的な‥‥ね。
「俺の事、どのぐらい知ってるんですか?」
「んん、なんでも」
「なんでも?」
「なんでも‥‥」
「俺の好物は?」
「八宝菜」
「高校時代のあだ名は?」
「ヨッシー」
「今俺が一番秘密にしてる事は?」
「イボ痔」
完璧だな‥‥。
「なんでそんなに知ってるんすか?」
「堂沢だから」
堂沢って‥‥
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