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「堂沢さん」
「ん?」
「俺以外の事も知ってるんすか?」
「知ってるよ」
「どのくらい?」
「なんでも」
それから一年が経った。
俺は社長になった。妻も帰ってきて、娘とも毎日会える。
妻と寄りを戻すのも簡単だった。
妻が何故俺と別れたがったのかがわかったからだ。
仕事も、相手の事情や脳裏が読めれば全てが良い方向へと進んだ。
「はははは、ホント堂沢さんのおかげですよ」
「‥‥はぁ」
「堂沢さんはなんでも知ってるんだから」
「おう、なんでも知ってる」
「なんでもかぁ、はははは…人類の滅亡の日とかも知ってたりします?」
「あぁ、知ってる」
‥‥!! 何??
「本当に?」
「知ってる」
マジかよ。本当になんでも知ってるのかよ
その時、俺は訊いてはいけない事を訊いてしまった。
「じゃあ、俺いつ‥‥死ぬかな?」
「今日」
「え!?」
え? そんな。
「何で死ぬんですか?」
「脳卒中、もう手遅れだよ」
「そんな‥‥そんな!! なんで教えてくれなかったんですか!!??」
「 堂沢だから 」
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