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偽り続けた女
きっかけは…
お母さんの兄であるおじさんの一言だった。
今日はお母さんの誕生日
僕の大好きなお母さん。
父は僕が生まれる前に事故で死んだとお母さんに聞かされている。
父は居なくても
僕には頼りになるお姉ちゃんがいる。
僕は昔から友達にイジメられたりすると
直ぐにお姉ちゃんにすがっていた。
お姉ちゃんは強いし綺麗
僕の一番の自慢である。
お母さんの誕生日には毎年お母さんのお兄さんがくる。
おじさんは大企業の社長さんで
とにかくお金持ちだそうだ。
たった4人だか盛大な誕生日会になった。
今回は少しおじさんが飲み過ぎたせいで
お早いお開きになった。
「ちょっとぉ…兄さん飲みすぎよ」
「わりぃわりぃ…
でも極楽だぞ美咲~
お前ももっと飲めよう」
「私はいいです!
お水持って来ますから」
母はキッチンに行ってしまった。
「あっ!今日ドラマの最終回じゃない!
私見てくるわっ」
姉もリビングを出て行った。
何故か僕は酔いつぶれたおじさんと二人きりになってしまった。
「ユウ君も飲むかぁ?」
「結構です…」
「ったく~清い青年だね~ユウ君は」
「おじさんが清くないだけじゃないんですかぁ?」
「………フンッ…そうだな」
少しおじさんを怒らせてしまったかもしれない。
「おい…知ってるか?」
「何をですか?」
おじさんはニンマリして話しだした。
「お前の母さんから聞いた話なんだがな
お前の姉さんは…」
「………?」
「実は………男らしい」
!!!!!!!
僕は動揺した。
「そんなバカな!」
「嘘じゃないらしいぞ
お前の母さんはお前には言わないつもりだったらしいが
それじゃ可哀想だろ?
だからおじさんが教えてあげたんじゃないか」
「お母さんが?…嘘だ!」
「おじさんを信じないならそれでいいんだぞ
でも後々真実を知ってショックを大きくするのはユウ君なんだから」
(そんな…お姉ちゃんが
男だなんて)
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