無題

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彼と私は度々出合う。 通学路で学校で、グランドで。 でも私は遠くから見ているだけだった。 ある日、図書館で出合った時も。 『私は、何も出来なかった。』 でも彼は私に優しくしてくれた。 そう優しくしてくれた。 でも… 彼は誰にでも優しい。 その優しさはみんなと同じ。 不安、不安、不安。 私の心は乱される。 結局私は本を読む。 本の中のヒロインにはなれない。 今日も私は本を読む。それが私の部活動。 いつもと変わらぬ部活動。 私は独りで寂しく本を読む。 本の中のヒロイン達にあこがれながら。 決して変わらぬこの世界を生きる。 ある日突然世界が変わる。 そんなことが起こるわけないと思っていた……
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