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意味深に呟きながら鞄から何か取り出し橋爪達に渡す。 「・・・ビニール袋?」 「仏さんは確かにこの真上に居る。ただし、車内だがな」 それとビニール袋とどんな関係があるのか。一瞬呆けたが、その関連性を悟り再び天井に視線を走らせた。 被害者は一人だけ。しかしバケツをひっくり返したが如くの出血量。直接見なくても想像がつく。 これはもはや殺人では無い。 ・・・解体だ。 「兎に角、その目にしっかり焼き付けとけ」 それを捜査の糧にしろと言いたいのだろうが、血まみれの車を見ただけで使い物にならなくなっているというのに、焼き付けてしまったら最悪の場合荻野の人生が終わるのではなかろうか。 「・・・荻野、お前子供居たか?」 「い、いえ、まだですが」 「そうか・・・ならまあ、良いか」 「・・・何が良いんですか」 「さあな。さあ、現場に行くぞ」 「・・・」 寅さんに軽く挨拶し、何やら脅えている荻野の背を強く叩いて、二階へと通じるスロープを上っていく。 すると丁度入れ替わるように同僚の乾が歩いてきた。
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