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「はい、橋爪」
「あ、お早うございます、大野木です。早くに申し訳ありません」
「いや、構わんよ。で、何があった?」
「実は坂下通り沿いにある立体駐車場で殺人がありまして、場所が場所だけに早急に現場に向かって貰いたいとの事です」
確かに坂下通りは都市部へ通じる交通の要だ。あそこが渋滞になれば数百数千の人に被害が出る。
しかし、少なからず違和感を覚えた。
彼処の道路は三車線。抜け道もそこそこある上に交通量は多からず少なからず。朝のラッシュに重なったとしても大渋滞になる可能性は低い。それにそもそも歩道が広い為、車道まで影響は無い筈だ。
もしあるとすれば・・・。
「何人、殺されたんだ」
「現場からの話では一人です。ただ、その、色々と混乱しているらしく詳しい情報が来ていない状況でして」
「そう、か。では直行すれば良いんだな?」
「はい。ただ課長曰くその辺りの判断は橋爪さんに任せるとの事です」
署から現場までは歩いても20分かかるか否か。自宅からの道のりを考えると署の方が近い。相方の荻野勝も同じようなものだ。
個々に動くよりは署で合流した方がやりやすいかもと考えたのだろう。
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