始まりのクセに       カウントダウン。

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「何も準備せずに突っ込んだ所で勝てないって。俺達だけならまだしも、他の人間やAIの命もかかってる。…後悔したくないから。俺の…俺達のわがままに付き合ってくれないか、セイバー」                          少年の顔を見ていた女騎士は、息を呑んだ。        少年は、余りにはっきりとした意志の上で、彼女に同意を求めている。          あるいは、少年には見えているのかもしれない。      3日後の結末……この物語の最後が。                         「……全く。そのような顔をされては、私には何も言えません。」                          故に、折れたのは彼女の方だ。少年の決意はそうたやすく挫けない。           それは、一緒に旅を始めて日が浅い彼女も既に知っていること。ならばせめてと、女騎士は幼さを残した顔に微かな笑みを作り、続けた。                      「ユージ。これからの3日間、存分に楽しみましょう。私達の物語はここで終わりじゃない。それはこの世界も同じことだ。私は自身の剣に誓ってそれを証明してみせます。」                   だから、これが最後になる。…と言う覚悟は必要ない。……これは、声に出さない彼女の願いだった。目の前の…彼女のパートナーである少年は、我が身を犠牲にする覚悟すらしているようにさえ、見える。
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