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多くは語らない。 少年は、それでも彼女の気持ちに気付いてくれる。 女騎士が知らずに寄せた期待を、少年は裏切らなかった。 「……悪い。いつの間にか気負ってた。」 幾ばくかの間を置き、少年は確かにそう口にする。 それを聞いて、少年の隣に立つ少女が少しだけ肩の力を抜いた。気負っていたのは、少年だけではなかったのだ。 「……なんかさ、話が唐突に進み過ぎていつの間にか俺…変になってた。……俺一人でどうにかしなきゃいけない。……そんな風に考えてたんだ。」 少年が、恥ずかしそうに鼻をかく。そこで、今まで黙ってた者がようやく会話に加わった。 「ファック。てめぇ一人でどうにかなるわけねぇだろ。」 「アギト……それは言い過ぎ……でもないね。…私達は頼りになりませんか?ユージさん。」 「……知らなかった。信用薄かったんだね……私達。」 一度に三人が少年に言葉をなげる。それに少年はたじろいだ。
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