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今の今まで、会話にこそ参加していなかったが、ここには少年を含めて六人が集っている。 それが、少年の仲間だ。 とにかく……と、話題をそらして少年は続けた。 「セイバーの言うとおりさ、3日間は各自で思いっきり楽しもうぜ。……勿論、準備も忘れるなよ?そして、3日後。………俺達は―――」 その場の全員が上を見る。 少年はその視線の彼方に手を伸ばした。 そこには、塔がある。 かつて、人間が神に近付こうとして築いた塔。 今は、少年達の目的がそこで待っている。 握り潰すかのように、少年は拳を作った。 「あそこにいる大馬鹿野郎を、とめる。」 視線をもとに戻した少年は、覚悟を口にして、街の中に向かう。他5人もそれに続いた。 「………絶対とめるからな……クリス…!!」 絞り出した少年の声は、いつまでもその場に留まっていた―――。
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