4 とある片隅喫茶店

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4 とある片隅喫茶店

寒くて 真っ暗な部屋 テレビの砂嵐を見ていたの 砂嵐は泣いていたの ずっとずっと ノイズが耳を塞ぐよ 白と灰色の雑音がめぐって   甘い薬が頭をおかしくして 何もかも壊してくよ 重たい躯は動かない 誰かゼンマイを巻いてよ でもね頭は再起不能なの さよなら さよなら   息を塞いだって生きてるよ 水をぶちまけて ぼやけてぼやけて ぼかしてぼかして 怪物が来ちゃうよ さよならさよなら   埃がいっぱいいっぱい つかないで さよならさよなら 忘れたよみんなみんな そっちは危ないよ さよならさよなら   どうしてあなたたちは 真実を探してるの 這いずり回って生きる わたし達を馬鹿にするつもりなの 子供が抜けないわたしの体に 罪悪を塗りつけて 未だに含む毒の中に 絶望をまじえたの さよならさよならさよなら でもわたしは生き抜いているのよ   ああ我が従兄に わたしの同類よ   未だに毒を含むしか無いわたしを そうやって人形と見るのね 愛してくれる人はたくさんいても きっと殺してくれるのは一人だけ   欠陥製品なんて 部品を取り換えればいいなんて 甘い発想しないで   本体が壊れてたら何を変えても無意味なんだから  
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