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「遅い!」
「こめん……」
幸輔が待ち合わせの校門に到着した時間には既に全員が揃っていた。皆、幸輔を待ちくたびれた様子でじっくりと軽く睨んでいる。
「遅くなった理由は?」
「……寝坊」
はあ、とため息が涼子の口から洩れた。
「ま、とにかくバスに行くわよ」
肩に下げていた鞄を幸輔に無言で渡す。つい手に持ってしまう幸輔に次々と鞄が置かれていく
「遅刻した報い」
「僕なんか一時間は待ったよ」
幸輔は、自分に任せられた荷物を持った。ずっしりとした重さが肩に掛かった。
「俺……一人?」
疑問には誰も答えなかった。
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