アッガイ大地に立つ

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軽口を叩きながら後ろを振り返るキロー少尉。 強奪してきた新型MSはモビルスーツとしては珍しい副座式で、キロー少尉が座っているシートの他に、もう一つの座席が組み込まれていた。   「強力な武器とかは後ろのシートから操作するのかしらん?」 呟きながら背後のシートに手を伸ばすキロー少尉。 「あれ? シートの横に何か置いてあるわ」   シートの隙間に何やらファイルを綴ったようなものが挟んであるのが見えた。   「マニュアルか何かかしらね?」 身を捩ってファイルのようなものを掴もうとした、その刹那 「え? あれれ???」   ファイルに気を取られいた為、メインモニタの変化に気付くのが一瞬遅れた。 モニターは「ありえないもの」を映しだしている。   「…これって」   興奮気味にインカムを拾いあげると、キロー少尉は大急ぎでヨシカワ軍曹に通信を繋いだ。
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