第三章

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 翌日、私は遅刻した。目覚まし時計が鳴らなかった、そんな当たり前の理由で。  しかし、私は学校へ向かった。今日がジャイちゃんとスネ子の掃除当番の日だから交代しなきゃいけないとかそんな理由ではなく、自分の意思で学校へ行った。  ふわ子はいなくなっちゃった。もしかしたら成仏しちゃったのかもしれないけど、きっと私に愛想を尽かしたのだと思う。こんな意気地なしの私だから。  母は泣いていた。思えば、あの人は何も悪くなかった気がする。悪いのは私だった。あの人は母娘の絆を必死に育もうと努力していた。だけど、私はひとりで絵を描いていた。あの人を無視してひとりで。  私は変わらないといけない。新しい友達を作って、新しい自分を創りたかった。
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