第四章

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 母さんの口から出てくる言葉はどれも初めて知るものばかりで、もっと前に知りたかったものばかりだ。父さんの気配り、母さんへの想い、そして優しさ。 「あんたが学校でいじめられてるけど助けも求めてくれないから、どうしたらいいかわからないって、父さん泣きながらお仏壇に言うのよ。あたし、化けて出るしかないじゃん」 「気づいてたんだ、父さん……」 「当たり前でしょ、あんたなんかの小細工が通用するかっての。こちとら、親だよ、親」  母さんは、にっこり笑って言った。
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