第五章

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それぞれのテスト前日の過ごし方。   ――片桐理視点――   誰もいない森の中…神経を研ぎ澄まし、右の黒光りする相棒を標的へ向けて打つ。   『バン!!』   しばらくして上から鳥が落ちてきた。これはエラルバード…警戒心が強く、素早い上に小さな鳥だからなかなか仕留めることは難しいが、片桐の腕にかかれば朝飯前らしい。   「うし!この調子で明日は女子にアピールしまくるぞぉぉぉぉ!!!!」   皆さん片桐をドスケベと誤解しているかもしれないが、よく考えてほしい。 緑、アクア、エレン…美女三人組と一緒の班になった一般人は例えどんな奴でもこうなってしまうだろう。 だから逆に言えば、美女三人に普通に会話する赤が異常なのかもしれない。   「戦力テストか…先輩に知り合いでもいたら詳しく聞けるんだけどなぁ…」   片桐はいきなり真剣な顔になり、胸ポケットから写真を取り出した…そこには、生まれたての可愛らしい赤ちゃんが写っている。   「…絶対お兄ちゃんが見つけてやるからな…」
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