友人談。

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ある日。             「デザイナーになるには 基礎は勉強しないとねぇ。」 と。 教室のすみで。 批判的にシズちゃんが呟きました。             「難聴の地獄耳」 と自ら豪語するバンビ。             その場に。 大量の鼻血をぶちまけながら。             「ふん!アタシがいつデザイナーになると言った? 凡人諸君の服など作る気は毛頭ない!」 と。             鼻血まみれになった。 裁縫道具を。 教室の窓から。ほうり投げました。             わたしは。 鼻血にまみれた裁縫道具。             バンビから流れる鼻血を見ながら。             思わず。 「きれい」 と呟きました。             それから。 バンビとは会っていません。             彼女の鼻血は綺麗だった。 今では。 いい思い出です。
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