マブダチ

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「…なんですか?」 昭和の時代の不良というものなんだろう、長ランという膝くらいまである長い学ランに、ボンタンという、無駄に太いズボンをはいた、リーゼントの男に声を掛けられた。 漫画で見たことはあるけど、絶滅した生き物かと思ってた… この男は、隣町の中学をしきっているヤツだということは、前に誰かから聞いたことがあった。 連れのヤツらに『番長』なんて呼ばれて調子付いている…本物のアホだ… 俺の帰り道で待ってたらしい。10人も引き連れて… 「なにか用ですか?これから用事あるんですが。」 塾の時間が迫っていた。 「テメェ、あんま調子こいてんじゃねぇぞ!?番長が呼んでんだから、黙ってついて来いってんだよ!!ねぇ、番長?」 「あぁ。」 ……コントでもやってんのか? しばらく漫画の世界のような、番長とザコキャラのやりとりを眺めていたが、結局近くの公園までついて行くハメになった。
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