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あの子の屍がアスファルトに倒れてる、雨と滲む赤
遠くから聞こえた救急車の音も煩わしく、私はあの子を抱え泣いた
私はある事が重なり小学低学年からイジメを受けていた
唯一仲良くしてくれた明奈ちゃんは優しかったのを覚えている
その腐れ縁は明奈が死ぬまで続き、ずっと一緒だった
中学のある日私はある出来事があり、彼と明奈の家に行った
そのまま家へ帰ればバレるからだ
衣服はボロボロ、所々に滲む赤に驚いたように近付いたけど把握したのか明奈は泣きながら言ってくれた、“助けてあげられなくて、ごめん”と
明奈が悪い訳じゃないのにと思いつつ私は泣いた
あれで何故気付かなかったんだろう、明奈の青アザや傷痕を
悲劇が起きる当日の昼
保健室へ言ったのを見つめてドアを開けると所々にある生傷や青アザが目に入った
それはイジメられていると言う証に他ならない
私は明奈を問い詰める
「なんで、なんでイジメられてるの!?私のせいなら…離れてくれればよかった」
「…大丈夫だから」
私の言葉は今思えば残酷極まりない、信じていた私に離れろと言われたら絶望だっただろう
そして下校
少し薄暗くなった帰り道を二人で歩いていると明奈は呟いた
「もう、限界なの」
思考が止まった、車道に乗り出す明奈
タイヤ音が響いた後、ドンと鈍い音を立て明奈は飛ばされ倒れた
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