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「明…奈?明奈、あきなぁっ…!」
飛ばされた明奈の傍まで走り近付いていった
息は荒く、頭から赤い液体が出ていた
私の方を見た明奈は擦れた声で呟く
「ご、め…ん……」
「謝らなきゃいけないのは私だよ!ごめん、本当にごめんなさいっ……」
抱えあげると頬に冷たい雫が落ちてくる
それは小降りからどしゃ降りに変わっていく、遠くから聞こえた救急車のサイレンは別れのカウントダウンで、救急車が着き私は付き添いで乗り明奈は運ばれ、手術の文字が赤く光る
消えたのは夜中だった、医者は私達に告げた
「手は尽くしましたが今夜が峠です」
悔しかった、私のせいで明奈が逝ってしまいそうになっている事を
そして私は疑問を明奈の両親に問う
「明奈は青アザなどがあったハズです、何故気付かなかったんですか?な訳はありませんよね」
何故私はあの時妙に冷静だったのか
明奈の親は口を開く
「一応声は掛けたんですが、大丈夫だと」
その一言に私は激昂したのを覚えている
「親に大丈夫じゃないなんて言う子供なんていません!なんでなんで救わなかった!なんで!」
それ以上は責めれなかった
自分も明奈を救えなかったからだ
そして私は一晩付いていたが真夜中
機械音が響く、さよならの音が
「あ…きな…明奈、明奈ぁぁぁぁぁ!起きて!起きてよっ!」
戻ることは
なかった
そして今は私は休学している、学校側の事は伏せさせてください。
余りにも汚すぎたから
学校とか明奈の両親とかはどうでもいい
明奈が空で笑っていてさえくれれば、復讐とか学校を晒すとかはきっと願わない子だから
とても笑顔が似合う女の子
明るくて私の傍にいてくれた子
きっと来世は幸せになれると
祈り
END
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