雪がちらつく道の真ん中で

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多賀と曲がり角で別れてゆっくりと歩き始めた時のことだ。 「ぼ~る~」 幼い子供が道路に向かって転がるサッカーボールを追いかけて公園から飛び出してきた。 (まさか、な……) 俺はこういう場面を漫画やテレビで見たことがある。 子供がボールを追いかけて道路に飛び出して、偶然きたトラックに跳ねられそうになる。 そしたら正義のヒーローが現われて華麗に救うのだ。 そんな考えが頭の中を中をよぎっていたが本当に起きた。 さらに先の曲がり角から大型のトラックが現われ、子供に驚きクラクションとブレーキの音があたりを包む。 気がつくと俺は子供を助けるために道路に飛び出していた。 (くそっ、間に合え!) 元々、脚力には自信があったためにすばやく子供を抱えることができた。 しかし、トラックはすぐそばにまで迫っていた。 だめだ、間に合わない……せめてこの子だけでも助かってくれ――。 願いを託し、子供を群がる群衆に向かって投げ付けた。どうやら子供は無事に助けられた。 トラックまでは一メートルほど、こりゃ間に合わない。 「ちくしょう、さよなら。みんな……」 そして、××××はトラックに轢かれた。
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